17歳で自殺した藤村操が残した遺書に秘められる人生の真理

17歳で自殺した藤村操が残した遺書に秘められる人生の真理
藤村操は現在の東京大学教養学部の前身となる第一高等学校に進学していた優秀な若者であり、かの夏目漱石が英語の教師でしました。(後年の漱石が藤村の死が神経衰弱になった原因の一つとも言われている)
彼は17歳という若さで遺書「巌頭之感」を残し亡くなりましました。
巌頭之感
悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て此大をはからむとす。ホレーショの哲學竟に何等のオーソリチィーを價するものぞ。萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。
(意味)
なんと悠々たるかな、天地(の空間の広さ)は。
なんと遥かなるかな、古今(の時間の長さ)は。
私は五尺(151cm)の小さな体で、この偉大さを測ろうとしました。
ホレーショの哲学は、結局は何らの権威者に値するものか。
万物の真相はただひと言で言える、すなわち「不可解」だと。
私はこの恨みを抱いて悩み苦しみ、ついに自殺の決意に至った。
今すでにこの華厳の滝の岩頂に立っているが、
胸のうちには何の不安も無い。
初めて知った。大いなる悲観は大いなる楽観と同じだと。
この遺書を17歳で書いたと思うと、本当に頭脳明晰な若者だったんだなと思います。
遺書には空間と時間が空空漠漠な存在であることを示し、この世における万物の真相は「不可解」であると結論付ける。
当時の藤村操は哲学的な悩みを持っていたとか、失恋をしていたと言われています。
それにしても、この遺書は生について考え尽くした意見が書かれています。
という私も、彼の残したこの遺書に納得させられることが多いのです。
万物の真相はただひと言で言える、すなわち「不可解」だと。
私はこの恨みを抱いて悩み苦しみ、ついに自殺の決意に至った。
私は、この世の中で起きることの真理を掴める人はいないと思います。
幸せの定義も、生死観も世界を見渡せば多様な考えに溢れています。
この世で起きることに、「真相」を求めるとすればそれは「不可解」ということになるのかもしれません。
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1997年生まれ。24歳。
「若者がグローバルな社会で生き抜くために」をモットーに記事を書いています。趣味である釣りに関する記事も多数執筆。
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